2009年11月27日金曜日

新卒の面接の作法:「金融専攻です」と言うのは不利。


さて、次は面接のポイントを紹介しておく。今回は、以前も少し紹介したが、面接時のタブーを紹介しておく。

○「金融専攻です」とは、8割がたの学生は言わない方がいい。

ずばり、「金融工学/ファイナンス/会計学等専攻で〜」「学生時代に株式投資サークルで運用をしていて〜」と言うのは不利である。
「私は金融工学専攻で、卒論ではオプションのプライシングがうんたらかんたらな事を書こうと思って居ます。この知識とスキルを活かして御社でも活躍出来ると思います。」
 「私は会計学専攻で、企業分析に興味があります。このスキルを活かして御社でアナリストになりたいです。」
 「僕は学生時代に株式投資サークルを主催していて、企業分析や運用に携わりました。このノウハウを活かして御社でファンドマネジャーになりたいです。」
筆者も大手の資産運用会社でアナリストをしていた時代には新卒の採用面接の面接官になった事がある。この際に一番良く聞き、かつ聞いた瞬間に「ああ、この人不採用だな」と確信する言葉が、上記のような内容である。本人は自己PRと志望動機を述べると共に、自身の強みとそれが会社に貢献出来る事を話しているつもりなのだろうが、面接する側からすると「ああ、またか」と言う内容である。 こう言う発言をする学生を概ね不採用にする理由は幾つかある。

○不採用の理由その1:自分に対する冷静で客観的な理解が足りないから。
第一に、こう言う発言をする学生は、自らの知識水準が金融市場において一体どの程度なのかについての謙虚で正確な理解がない。大学時代に学んだ知識など、実際に社会に出て役立つ事など殆ど無いと言う現実を理解していないのである。
マーケットには米国の一流大卒MBA位はごろごろ居るし、会計士だって沢山居る。理論物理等で博士号を取ったような人間がクオンツ運用等の形でマーケットに関わっているし、証券会社のエコノミスト等は日銀で結構な地位まで行った人や海外の一流大で経済学の博士を取ったような人がなる。日本の証券アナリスト資格は自動車の免許書程度であるし、米国証券アナリスト資格(CFA)をもっているような人間も沢山居る。つまりは大学時代の勉強や運用サークルなど、実際仕事をしている採用者の側からすると、所詮はシロウトさんの趣味のレベルなのである。こう言った状況があるにも関わらず、付け焼き刃の知識で「金融が専攻で、御社に貢献出来る」等と言うのは勘違いなのである。
マーケットにおいては、自分自身が有利な立場に居るのか、コンセンサスの一員なのか、カモになってしまう側なのか、と言う部分に対する客観的な認識は、結構重要である。従って、勘違いな学生を採用するのであったら、「学生時代は好きな事や恋愛に没頭していて金融のバックグラウンドなんて無いが、もう気が済むまで遊んだので内定後は必死に勉強して、職場でも皆から学んで、プロフェッショナルになりたい」位の学生のほうがだいぶ好感が持てる(採用されるかどうかは別だが、変に金融専攻だと見栄を張るよりBetterではある)。自分自身の立場がマーケットにおいてどう言った所にあるのか、客観的な理解が感じられるからである。

○不採用の理由その2:8割がたは実際に専攻と言える程の知識はないから。
第二に、「金融工学が専攻で」「投資サークルで運用をして」等と言う学生の8割がたは、実際にツッコミを入れると大した知識が無い事が露呈する事が多いからである。
例えば、金融工学専攻と言うので、「オプション価格の変動要因を5つ挙げて」と質問すると、5つどころか2、3も出て来ないと言うような事が散見される。原資産価格、ボラティリティ、金利、ストライクプライス、満期までの期間、加えて株等の場合は配当。この位は金融工学を「専攻」しないで現物株の売買だけやっている筆者でもぱっと出るのだが、大概の学生はぱっと出て来ない。この他、タイムディケイって何?でもいいし、インプライドボラティリティって何?でも、ガンマって何?でもいい。全部、この業界で何年か仕事をしていれば「金融工学専攻」なんてしてなくても分かる基本的な事だが、この時点で脱落してしまう「金融工学が専攻の学生」を見ると、正直がっかりしてしまうのである。
同様の事は、コーポレートファイナンスが専攻の学生にDCF評価について質問しても同様、会計学が専攻の学生に利益とキャッシュフローの違いについて質問しても同様、経済学が専攻の学生にアジア通貨危機の発生理由を聞いても同様、投資サークルを主催していた学生にトヨタの株価を見る上で重要な要素を聞いても同様である。どれも基本的な項目なのだが、すぐにつっかえてしまう学生が過半である。
思うに、実際大した勉強をしていないのに内定が欲しくて見栄を張ってしまった、と言うのが丸見えなのである。こういう雰囲気を感じ取ってしまった瞬間に、不採用、と言う事になる。本当の意味で「専門」と言える水準にない学生については、自身の水準を自覚して、学校の専攻の話や投資サークルの話を面接ではしない事をお勧めする。

○不採用の理由その3:採用側のニーズを理解していないから。
第三に、こう言う学生は、採用する側のニーズを理解していない。採用する側が新卒に求めるのは、「フレッシュな若さと成長力」であり、「金融についての専門知識」ではない(勿論あるに越した事はないが、主要な要素ではない)。投資で言えばベンチャー企業に投資するようなものである。新卒採用の場合、志望者がそれまでに蓄積して来た知識やアセットではなく、将来性の方が大事なのである。専門知識や運用経験のある人間が欲しい場合は新卒など採用しないで中途採用をする。知識はなくても将来成長しそうな人が欲しいから新卒を採用するのである。

○不採用の理由その4:つまらなくて印象に残りづらいから。
第四に、聞いていて単純につまらないからである。見栄っ張りな「金融工学/ファイナンスが専攻で〜君/さん」「投資サークルで高リターンを上げました君/さん」に一日に何人も会い、知識を試験するような質問をし、ああやっぱり見栄だったかと落胆する、採用側の身にも多少はなって欲しい。他の志望者と同じになってしまわないように気を配るとか、堅苦しい言い方をすれば差別化の戦略を練る位の機転は、やはり欲しい。
どうせ良くある話を聞くなら、留学の話やら、学生時代の熱烈にハマっていて大概の人より詳しい自信のある趣味の話等から、「自分の留学の際の適応力が/自分の凝り性な性格が、金融の仕事に合っていると思いました。」位の「まあ一応志望動機に繋げました的符丁」を経て志望動機にしたような話を聞いた方が、多少のこじつけ感は否めないとは言え、仕事で疲れた社会人の心にはまだリーチしやすいだろう。学生さんならではの瑞々しい経験を聞く方が社会人には楽しいし、取り敢えず覚えやすい。
加えて、「学生ならではのみずみずしい経験」なら、学生側のふんどしで相撲が取れる、主導権が取れるというのもある。「金融専攻です」と言えば、金融を飯のタネにしている面接官から金融関連の質問を次々浴びせられる事になり、結果として面接官のホームグラウンドに学生側がアウェーで出向いて勝負しなくてはならない事になる。大概の場合学生側が不利である。学生ならではの経験で勝負すれば自分のホームグラウンドで面接官をアウェーから招き入れて勝負出来、しかも面接官の印象に残りやすいので有利である。こう言った計算が働くのも金融の商売をやる上では大切な事とも思う。

○どの位のレベルなら「専攻」と言えるのか。
ただ、本当に学生時代の主要な時間をキチンと割いて「専攻」していて、一定のレベルの学生さんも少数だが居るかも知れない。その際は、基本的には「その分野の事なら、実務家である面接官に何を聞かれても答えられるレベル」であるかどうかを基準に各自考えて頂ければと思う。客観的には、概ね以下位を基準にすれば良いかと思う。
・会計、ファイナンス:公認会計士、米国CPA等の資格保有者あるいは米国のMBAの有名ファイナンススクールでファイナンス専攻位。
・金融工学:ジョンハルの「フィナンシャルエンジニアリング」が「簡単で実務向きの本だ」と思える位で、実際にExcel VBAやMatlab等でオプションのプライシングをした事がある位。
・投資サークル/個人トレーダー:ジェイコム氏位のかた。(一般的には、学生時に、いざとなっても親が食べさせてくれるようなプレッシャーの少ない状況で軽い気持ちで運用するのであれば、誰でもビギナーズラックで上手く行くときはある。投資サークルや個人投資で自信過剰になっていたり変な手癖が付いてしまっている学生は採用する側からするとかえって採用しづらい面もある。)
後はまあ、投資銀行や比較的きちっとした団体主催のインターンシップ等は、実績とか専攻とか強みとか言うよりは、「それで興味を持った」と言った具合に、志望動機のきっかけにする位が良いのかなと思う。

8 件のコメント:

  1. 初めまして。大学院修士で金融工学を勉強しております。
    非常に面白い内容でしたので勝手ながら、研究室にプリントアウトして、張らせていただきました。もし、気分を害されましたらすぐ取り外します。

    私は何とか、金融機関に内定を頂き、次の4月から働く予定です。正直、金融工学が確実にできる、大手金融のコース別採用に行きたかったのですが、落ちたり、内定を重視してオープン採用を受けたりで、行けませんでした。

    内定先でもそのような仕事にしてもらえるみたいですが、そうじゃないこともあるみたいです。

    オプションの変動要因とかはさすがに答えられますが、私が面接で感じたのは、20分面接があったら勉強の話を聞かれるのは5分程度だったかと思います。

    金融工学をやっていたとしても、人事の人にとってはただの学問の一つに過ぎないのでしょう。私の内定の決め手もサークルの内容だった気がします。
    あと、自分の大学の理学系の院生が金融工学のコース別に内定していたのを聞いて、「クオンツになりたければうちの研究室で金融工学やるより、その研究室で気象の研究して方がなれるじゃんw」と思った事があります。
    後で考えてみれば、そんなの個人の努力次第であり、うちの研究室が世間知らずでただのイタイ研究室だったからなのですが。

    私の研究室はまだ未熟で、一つの学問としての金融工学もできていない気がします。先生と話して少しづつ改革中です。

    修士の場合どの程度までできていれば良いのでしょうか?
    もちろん専門によりますので、私のイメージとしては「金融工学の初歩的な単語は専門分野関係なしに説明でき、専門分野で新規性のある研究をしている」ぐらいだと思います。

    返信削除
  2. コメント有り難うございます。

    まずお断りしておきたいのは、筆者はクオンツでは無いので、2010年の今現在のクオンツの採用現場の実際を生々しく述べる事は出来ません。又聞きや一般論程度と言う事になります。他ブログで現役のクオンツのかたが記事をかかれたりしているとも思うので、基本的にはそちらをご参照願います。

    その上でお答えさせて頂くと、修士の場合も、基本的にブログ内の内容と大差ないのではないでしょうか。ジョンハルの上記図書が普通に読みこなせて、プログラミングや統計解析ソフトでプライシングのモデリングが出来る、と言った辺りがまずは基準になるのではないでしょうか(クオンツ本業のかたが閲覧されている際は、違ったら恐縮であります)。

    後は、筆者の別の日付のブログにも書いたと思いますが、クオンツの種類にもよるのではないでしょうか。

    オプションプライシングモデル自体の開発、と言った辺りですと、以下の参考書籍をご参照願います。エマニュエル・ダーマン(ダーマンモデルのダーマンです)と言う、元物理学者からクオンツに転向した、この道では高名なかたの半生期です。ハードコアなクオンツはこんな感じだと言う参考になると思います。金融工学の分野では高名なかたなんですが、本人自身は理論物理学者としては落ちこぼれで世俗に染まってしまったなと言った、何とも複雑な心境のようです。理系のかたでしたら多分共感出来るような心情描写かも知れませんし、リアルでよろしいかと思います。アマゾンで検索すれば出て来ます。

    物理学者、ウォール街を往く。―クオンツへの転進 (単行本)
    エマニュエル ダーマン (著), Emanuel Derman (原著), 森谷 博之 (翻訳), 長坂 陽子 (翻訳), 船見 侑生 (翻訳)


    また、修士やある程度算数が好きなら文系でも参入し得る、もうちょっとハードコアでないクオンツ分野としては、ジョンハルの紹介図書に加えて、以下位が参考になるかも知れません。Stat Arbのクオンツトレーダーの参考書です。行列とか、カルマンフィルタとかを使ってます。こちらもアマゾンで出て来ます。

    実践的ペアトレーディングの理論 (ウィザードブックシリーズ) (単行本)
    ガナパシ・ビディヤマーヒー (著), 熊谷善彰 (監修), 森谷博之 (翻訳)


    後は、マルチファクターモデルによる運用だと、統計、特に因子分析、主成分分析、重回帰分析と言った多変量解析は必須と思います。ちょっと古いですが以下辺りを参照願います。

    アクティブ・ポートフォリオ・マネジメント―運用戦略の計量的理論と実践 (単行本)
    リチャード・C. グリノルド (著), ロナルド・N. カーン (著), Richard C. Grinold (原著), Ronald N. Kahn (原著), 明治生命特別勘定運用部 (翻訳), 日興証券アセットマネジメント本部 (翻訳)


    ○後は需給と運で決まります。

    後は、みもふたもないですが、市場環境、クオンツに対する需要の程度で決まります。

    証券化やデリバティブ商品が投資銀行の主要ビジネスで非常に売れた時は、デリバティブや証券化商品の組成やモデリング等でクオンツニーズは高かったと思います。こう言うビジネスが例えばリーマンショック等で蒸発してしまうとどんなに優秀なクオンツでも職が無くなります。

    上記のStat Arbについては、実際やってみると余り儲けるのが難しい面もあり、昨今Stat Arbのヘッジファンド・運用戦略のニーズはそんなにないと思います。筆者も参考書を参考にしながら、Rでプログラミングして運用してみた事がありますが、中々機能しませんでした。一方で、映画アバターを見て3D画像が大迫力だったぜ!よーし3Dグラフィック関連銘柄買い!みたいな、シンプル極まりないトレーディングで利益が出て評価されると言う、何とも言えない絵であります。スキル的には前者の方が高度なのかも知れないですが、後者の方が往々にして儲かる訳です。そして、ビジネスである限り、収益が出る方が良いと言う事になります。この辺の感覚が、学校と実務界の大きな違いです。

    マルチファクターモデルの運用も、ちょっと出尽くした感があると言うか、どうしてもファクターの感応度が落ち着かないよねとか、結局カーブフィットになるよねとかで中々難しいね、みたいな辺りが分かって来ているので、直感的にはそんなに人材ニーズがあるとは思えません。

    昨今、ゴールドマンサックスの旗艦クオンツファンドだった、GEOと言うファンドが閉鎖になりました。運用者のMark Carhart氏は元々ファイナンスの助教授位のかたで、クオンツの論文にも比較的頻繁に引用されるかただったのですが、2007年夏のクオンツショックで「吹っ飛んで」しまい、以降もパフォーマンスが冴えず、ついに閉鎖と言う次第です。

    とは言え一方で、米国のRenaissance Technologies(以下参照)は、毎年強烈なパフォーマンスを挙げていて、創業者で大学で教鞭等も取っていたジム・サイモン氏は毎年の年収が10億ドルの単位です。中身は完全にブラックボックスなので筆者も何をやってるかは分かりませんが、理論物理学博士卒等のハードコアな従業員が多数働いていると聞きます。クオンツ界のスーパースターと言えるでしょう。

    http://en.wikipedia.org/wiki/Renaissance_Technologies

    こんな具合で、あくまで商売ですので、ニーズがあるかどうか、儲かるか否かで決まってしまうと言う面も大いにあります。クオンツ関係で儲かるビジネスフローがあるなら、採用も寛大で多少数学的素養が浅めでもポテンシャル採用等もあったりするでしょうし、ビジネスが無ければ、志望者が「どの程度」であっても採用は全くない、と言う案配です。

    拙文ですが、何がしかの参考になりましたら幸いです。

    tlabo様におかれましては、今後のご活躍を心よりお祈り申し上げます。

    返信削除
  3. また、その他の分野としては、以前にはニューラルネットとか遺伝アルゴリズム等で学習モデルを作って、運用に応用するみたいな話も流行っていたように思います。とは言え、現在どうなのかは筆者には分かりません。

    付記と言う事で、追記させて頂きます。

    返信削除
  4. 途切れ途切れで恐縮ですが、更に付記です。

    上記については、主に収益を稼ぐ主体のフロントオフィスでのクオンツニーズと言う事になります。これに加え、リスクマネジメント等のミドルオフィス的な人材ニーズも別途あるのではないかと思います。

    この場合、主に統計関連の知識が必要と言う事になるのだと思います。後は、ポートフォリオのリスク分析のために、モンテカルロ法ですとか、ストレステストですとか、ファクター感応度の分析ですとか、そう言った一通りの事が、エクセルを使ったり、データベースからデータを取り出して活用したり(SQLなんかは使うのかも知れません)、Barraなりその他のソフトなりを使ったりしてやれるかどうか、と言う辺りかと思います。ただ、新卒の学生さんに対してどの程度まで求めているかは筆者には分かりかねます。

    以上です。
    tlabo様の新社会人生活でのご活躍を心より祈念致します。

    返信削除
  5. お忙しい中、貴重な返信コメントありがとうございます。

    クオンツ新卒採用に関して、無理、無礼な質問をしてしまい、大変申し訳ありませんでした。

    「物理学者、ウォール街を往く」は大学4年で読んだことがあり、Renaissance Technologies,GEOの存在も存じておりましたが、その他の参考書等の情報は初めて知りました。ありがとうございます。

    4つ目のコメントにもありますが、私が今、一番興味あるのがリスク管理等ミドルの分野です。研究も信用リスク関連ですので。

    これからも、楽しんでブログを拝見させていただきます。
    Anonymous investorさんもお仕事頑張ってください。

    返信削除
  6. いえいえ、こちらこそ有り難うございます。ブログのコンテンツがより豊かになる事に繋がったと思います。

    ちなみに、ジム・サイモン氏については、子供さんが不慮の事故等で確か2人も亡くなってしまったり、あるいはお子さんが自閉症になってしまったり、社員幹部が謎の死を遂げられていたりで、別の所に紹介している「Matrix資本主義の迷宮」に典型的にはまり込み、現在は数学/統計分野の学問発展やボランティア活動等に精力を注いでいると聞いた事があります。立派な数学者にしてクオンツ運用界のカリスマにしても、こう言った「資本主義Matrixの迷宮」に得てしてはまってしまうと言うのは、何とも言えない所であります。

    また、ゼミの活性化と言う所では、「学生時代から手を使うようにする」事をお勧めします。本だけ幾ら読んでも、中々空を掴むような話から脱出出来ないですし、翻って就職面接等でも専攻にしたとは言い難くなってしまうように思います。

    自身でExcelで実際に株価や財務データ等をいじってみたり、関数やVBAのコードを自分で書いてモデリングしてみたり乱数発生させて基本的なモンテカルロをしてみたり、Matlab(予算が無ければOCTAVEやScilabでも良いでしょう)やRでプログラミングしたり、データベース(身近な所ではACCESSなんかでも良いので)からSQLでエクセルにデータを呼び出してみたり、と言う過程を経る事で、表面的な議論のレベルから、仕事で使い得る地に足の付いた技能として定着します。

    本の内容的には、繰り返しますがジョンハルの1冊を、基本部分はきちんと読んで、細かいトピックは必要な所だけ辞書的に使い倒す、後は専攻のトピックに関連した本を幾らか、と言う位で十分と思います。GARCHや確率変動モデル等によるボラティリティの推計、信用リスクやクレデリに関する議論、VaR等、フロントオフィスに行きたい人にも、ミドルオフィスのリスク管理が興味のある人にも、一通りの議論は尽くされていると思います。この本に書いてある内容をExcelやMatlab等でプログラムを書いて実装出来るレベルになれば、十分金融工学専攻だと言えるかと思います。

    今後も時折ブログに遊びに来て頂ければ幸いです。

    Anonymous Investor拝

    返信削除
  7. 初めまして、現在就職活動中の大学4年生です。
    かなり以前の記事ですが、私にも思い当たる節があるので、ご意見を頂きたくコメント致しました。

    私は現在、運用会社を第1志望として就職活動しております。
    ゼミナールで金融工学を学び、関連した業務をしていきたいという思いから志望しています。

    もちろん、学部程度の知識が実際に業務で活かすことが出来るとは考えていません。
    アピールする際にも、学んだ知識を活かしていきたいという主旨の内容は控えています。

    ですが、大学生活で力を入れてきたことであり、思い入れも強いため、ゼミナールでの活動を通して、資産運用への関心の高さや、専門性を身につけ働きたいという熱意をアピールしていきたいと考えています。

    そのような場合でも、金融専攻、金融工学専攻であるという内容は避けたほうが良いのでしょうか?

    返信削除
    返信
    1. 匿名1/27/2017

      管理者です。お返事遅れました。学部での学びを「業務で活用し収益を上げ云々」の強みアピール・能力ひけらかしにせず、ゼミでの活動がきっかけで興味を持ったと言う志望動機として使うという事であればアリだと思います。但し、内容的にそれだけでは他の面接者も似たような事を言う人が多数居ると思われ面接官に印象付けるのは難しいと思います。強みや人柄、自分には成長するポテンシャルがある事のアピール・表現は別途考える必要もあろうかと思います。宜しくお願いします。

      削除